電子ピアノとは電子楽器の一種、簡単に言えばピアノの音を電子技術で再現する楽器のことです。
ピアノように「生の音」ではなくスピーカーから音が発せられる仕組みとなっています。
最近ではマンションなど集合住宅に住む方が増えてきており、周囲への騒音を考慮し需要が高まっています。
電子ピアノを選ぶ際には、この電子楽器ならではの特徴をしっかり踏まえたうえで機能などをチェックしていく必要があるのです。
また、使い勝手だけでなくサイズなど電子ピアノならではのチェックポイントもいくつかあるので注意したいところです。
高い買い物だから失敗したくないですよね
買ってよかった電子ピアノの特徴
タッチがいい
買ってよかった電子ピアノの特徴の中でも最大のポイントは、実際に弾いてみたときの感触、タッチの感触がとてもよいことです。
これには大きく分けて2つのポイントがあります。
ひとつは「実際のピアノの感触に近いこと」、もうひとつは「自分の感覚に合っていること」です。
とくに後者は主観的な面が入ってきますから、実際に弾いてみたうえで判断するのが理想的です。
ピアノはタッチの重さによって弾きやすさが大きく変わります。
タッチが重すぎると早いテンポの曲を弾くときに負担がかかり音がうまく流れなかったり、逆に軽すぎるとミスタッチが増えてしまったりと、鍵盤の重さは大変重要なポイントです。
店舗で実物を確認したり、口コミを参考にして選んでみましょう。
音色がいい
スピーカーから発せられることになる電子ピアノの音には大きく分けて2つあります。
あらかじめ音が内蔵されている「サンプリング音源」と、弾くたびに電子ピアノの内部でコンピューターが計算して音を作り出す「モデリング音源」の2種類があります。
サンプリング音源とは、ひとつひとつの音を収録して発音しているタイプで、音源はデジタル録音している音色です。
一方のモデリング音源は、録音したピアノ音をさらに加工して、より本物のピアノに近い音を作り出すシステムでつくられた音色です。
モデリング音源のほうが15万円以上するモデルの電子ピアノに採用されていることが多く、本物思考の人にはモデリング音源が人気です。
どんな音源が使用されているかによって、弾いたときに奏でられる音に差が出てくるため、これも好みを踏まえた上で自分に合ったものを選ぶことになります。
音数が多い
音がいい点とも関わってきますが、同時にどれだけの音数を出せるかも大事なポイント。
とくに本格的にピアノを学びたい方なら音数が多いほうがよい電子ピアノとなるでしょう。
通常は64音~128音くらい、さらに製品によってはさらにたくさんの音色を同時に出すことができるものもあります。
これも多ければよいというわけではないので、個人の好みや価格を踏まえた上での選択となるでしょう。
電子ピアノを買ってよかった理由
音量の調節ができる
これが電子ピアノを買ってよかった理由の中でも筆頭に挙げられるものでしょう。
そもそも周囲への音の問題で本物のピアノを購入できない人が、電子ピアノを購入するケースも多いはず。
音量調節ができると、マンション住まいでも音量を気にすることなく練習することができますし、さらにはヘッドフォンを使うことで夜間でも弾けます。
時間を気にすることなく自由に演奏・練習を楽しめるのが大きな魅力ですね。
メンテナンスが簡単
本物のピアノの場合は基本的に年に1回程度、プロの調律師に依頼して音が正しく出せるよう調律してもらう必要があります。
これは音を安定させるだけでなく、ピアノ本体の維持にも関わってくる重要な作業です。
いくら良い音を出すピアノでも調律が狂っているのでは「ちゃんとした楽器」とは言えないわけです。
しかし電子ピアノならそうしたメンテナンスの手間は不要。
もちろん水気を避けるなど環境に配慮する必要がありますが、繊細な扱いが求められる本物のピアノに比べるとずっとメンテナンスが簡単です。
いろいろな機能がついていて楽しめる
現在の電子ピアノにはいろいろな機能がついています。
例えばメトロノームが内蔵されていて練習に使えるもの、さらにはスマホと連携させることでより幅広い機能を使える電子ピアノなどもあります。
黙々と弾いて練習するのもよいですが、こうした機能を使いつつ楽しみながら練習・演奏するのもよいですし、練習の効率をアップさせるうえでのこうした機能は重宝します。
失敗や後悔しない電子ピアノの選び方
実際に音を出してみる
タッチや好みの音色を確認するためにも、まず実際に音を出して確認しておきましょう。
そのためにも面倒がらずに実際に楽器店に赴いて本物の電子ピアノに触れてみる機会を作ることが重要です。
いろいろな機能がついている製品の場合は、実際にいろいろと試してみながら自分にあったものか、自分が使いこなせるものなのかを確認しながら比較検討していきましょう。
鍵盤だけでなくフットペダルの数や感触なども見ておくと、より失敗しない製品を選ぶことができるでしょう。
機能を確認しておく
上記のポイントと重複する部分もありますが、搭載されている機能を実際に試してみたうえで選ぶことも欠かせません。
どんなものでも機能が多いほど高価になりがちですよね。
ピアノにどんな機能があるのか、そして実際にどれだけ使い勝手がいいのかを知ることで余計なコストをかけずにすみます。
いくら多機能でも自分には必要ないものが多い場合には「コスパが悪い製品」ということになります。
機能面でチェックしておきたいのが「音色の切り替え機能」です。
いろいろなピアノの音を出せるだけでなく、他の楽器をサンプリング音源で出すことができる製品などもあります。
本格的にピアノを練習したい人には不要の機能とも言えますが、ピアノを趣味として楽しみたい人にとってはオススメの機能です。
出してみたい楽器の音があるかどうか、実際にどんな音が出るのかなども見ておくと電子ピアノならではの楽しみをより味わえる製品を見つけることができるでしょう。
スペースを確認しておく
本物のピアノに比べてコンパクトなのも電子ピアノの大きなメリットです。
そのメリットをどれだけ活かせるかも電子ピアノ選びでの重要なポイントです。
自宅のどこに置くのか、どんな環境で利用するのかを考えながらピッタリのサイズを選んでいきましょう。
また可能ならば重さもチェックしておきたいところ。
もともと電子ピアノはそれほど重くありませんが、移動しやすいかどうかなどもチェックしておくと、購入した後に部屋の模様替えをするとき楽に移動が出来ます。
買ってよかった電子ピアノのメーカー
ローランドの電子ピアノ
ローランドと言えば、ジャンルを問わず電子楽器を代表するメーカーとして非常に高い評判を得ています。
電子楽器に関してはクラシックだけでなく、ポピュラー・ミュージックやロックミュージックの分野でも人気を得ているのが特徴です。
音が非常によいのと、鍵盤の反応がとてもよい点が長所としてよく挙げられており、初心者にとっても非常に魅力的な選択肢と言えます。
電子楽器専門のメーカーならではの電子楽器の魅力が充実している電子ピアノがラインナップされています。
ヤマハの電子ピアノ
ピアノ教室などでもよく使用されているのがヤマハ。
定番中の定番、「ヤマハを選んでおけばハズレ無し」と言っても過言ではない存在です。
特徴としてよく挙げられるのが「全体のバランスがよく、すべての機能において高得点」であること。
また、アコースティックピアノに近い音を持っていることでも知られ、少しでも生ピアノの感触を味わいながら演奏したい方に向いています。
カワイの電子ピアノ
ヤマハと並び称されるピアノメーカー、ピアノでは世界2位のシェアを誇るのがカワイです。
このメーカーの電子ピアノはナチュラルな音を重視している点が特徴としてよく挙げられます。
その分「音色が地味」とも言われるのですが、非常に豊かで深みのある音を出すことが可能です。
その意味では音色にこだわる少々上級者向けのメーカーと言えるでしょうか。
グランドピアノを弾いているような鍵盤の感触も大きな特徴です。
安い電子ピアノは買わない方がいい?
安い電子ピアノには安いなりの理由があります。
機能が少なかったり鍵盤の重さが軽すぎたりと、本物のピアノからは少し離れた商品であることが多いです。
ただ買わないほうがよいというわけでは決してありません。
高価な電子ピアノはうまく演奏できる人が満足できるような優れた機能や音色を備えているのに対して、趣味程度に楽しむ人や高機能を求めない人なら、安いピアノでも練習用として問題なく使えます。
はじめは安い製品で電子ピアノの魅力を楽しみつつ、自分のレベルアップに合わせてより優れた製品に乗り換えていく、というやり方もおすすめです。
一般的には3万円くらいがボーダーラインと言われており、これより安いピアノになるといろいろな面で不足・不都合な点が出てくる可能性が高くなります。
電子ピアノを買う時の注意点
できるだけ有名メーカーの製品から選ぶ
先ほど取り上げた有名メーカーからも安い電子ピアノが発売されています。
できるだけこうした信頼できるメーカーの中から選ぶようにしましょう。
やはり安い製品にもそのメーカーならではの高い技術が採用されていますし、万一故障などの問題が発生した場合でも問い合わせがしやすく、しかもきちんと対応してくれる可能性が高くなるからです。
また有名メーカーの製品の場合、安い製品でもネット上から情報が入手しやすいのも魅力の一つです。
「得体のしれない安い製品」よりも安心して購入することができるでしょう。
価格と機能のバランスをしっかりと確認する
簡単に言えばコスパがよいもの、ということになるわけですが、安い電子ピアノの場合、本来ならあった方がいい最低限の機能も備わっていないケースもあります。
例えば鍵盤の数は88鍵あるのが前提ですが、安い製品のなかにはより少ない鍵盤数のものもあります。
ほかにもこれまで挙げてきた音色の数や演奏をサポートしてくれる機能など、「あった方がいい」機能をしっかり備えているかを確認したうえでコスパがよい製品を選ぶようにしましょう。
もうひとつ、スピーカーの数についてもチェックしておきましょう。
パッと見ただけではスピーカーの数は確認できないので注意が必要です。
電子ピアノでは4~6つほどのスピーカーが搭載されています。
当然スピーカーの数が多い方がより深みのある音を出すことができるのでより本物のピアノの音に近くなります。
可能ならばスピーカーが6つ搭載されているものを選ぶとよいでしょう。
オススメの電子ピアノ8選
【ローランド】Roland HP702 DRS
- モデリング音源
- 324音色
- スピーカー12cm×2
電子楽器専門国内大手メーカーのローランドが販売している定番の人気ピアノです。
モデリング音源なので音色がよく、大型スピーカーつきなので音を楽しみたい方にオススメ。
ハンマーアクション搭載の象牙調の88鍵盤と演奏に必須の3本ペダルで、本物のピアノにより近いモデルです。
【KORG】コルグ 電子ピアノ LP380
- グランド・ピアノのタッチを再現
- パソコンやタブレットと連携できるUSB端子搭載
- 純正ヘッドフォンとペダルつき
リアル・ウェイテッド・ハンマー・アクション3(RH3)鍵盤を採用しており、本物のピアノのタッチを再現しています。
高品質の音色を30種類内蔵。
また、2つのヘッドホン端子を装備しているので、お子さんと一緒に練習したり連弾も可能。
パソコンやタブレットと接続できるUSB端子もついているので、練習に最適です。
【Donner】電子ピアノ DDP-80
- ハンマーアクション鍵盤を搭載
- 20Wスピーカー×2、ヘッドホンモード
- 最大128音
フランス製一流のDREAM音源がデジタル化されており、グランドピアノに近い音色と臨場感が実感できます。
USB端子もついているので、パソコンを繋げて練習するにも最適。
スタイリッシュなデザインで、部屋に圧迫感を与えないシルエットです。
【YAMAHA】ヤマハ DigitalPiano アリウス YDP-165
- 国際ピアノコンクールでも活躍する「CFX」の音源を使用
- 演奏を正確に感知する3つのセンサーを搭載
- レッスン曲303曲内蔵
クラシック名曲50選、レッスン曲303曲内蔵しており、店舗の変更や片手パートだけを再生することもできるので、初心者にもオススメなモデル。
また、繊細なタッチを正確に感知するセンサーを3つ搭載しているので、連打性も高くグランドピアノに近い表現力を実現します。
【KAWAI】デジタルピアノ KDP120
- 88鍵盤
- ヘッドホン&ピアノ椅子付き
- ウェイテッドハンマーを搭載
初心者の方でも弾きやすいモデルで、定番の人気商品です。
低音は重く、高音は軽いグランドピアノのタッチを再現する音域別ウェイテッドハンマーを搭載しているので、本物のピアノに近いタッチを体験できます。
【カリーナ】Carina 電子ピアノ 88鍵盤
- ハンマーアクション鍵盤
- 高出力25Wスピーカー
- 380種類の音色
低音部では重く、高音部では軽くなるように自然なタッチ感を実現したハンマーアクション鍵盤です。
最大同時発音数も128音と、本格的な演奏も実現。
MP3入力端子、MIDI端子、サステインペダル入力端子、オディオ入力端子、オディオ出力端子、ヘッドホン出力端子を装備しているので、さまざまなデバイスに対応します。
【CASIO】カシオ Privia PX-770BK
- 奥行299mmのスリムモデル
- 19音色を内蔵
- ハンマーレスポンス採用
ピアノ音色ごとの特徴に合わせた発音タイミングも最適化したハンマーレスポンスを採用しているので、弾き心地が抜群です。
スマートデバイス用アプリ「Chordana Play for Piano(コーダナ プレイ フォー ピアノ)」に対応しているので、練習にも最適。
奥行き299mmのスリム&スタイリッシュなボディで、どんな部屋にもマッチするデザインです。
【YAMAHA】ヤマハ CLP-735R
- 2つのコンサートグランドピアノ音をサンプリング
- グランドタッチ-エス鍵盤
- 無料アプリ「スマートピアニスト」対応
2つのコンサートグランドピアノ音を忠実にサンプリングし、壮大な音色を表現しました。
また、繊細なタッチを表現してくれる「グランド・エクスプレッション・モデリング」を採用。
内蔵曲の楽譜表示などができる無料アプリ「スマートピアニスト」にも対応しているので、練習に最適なモデルです。
まとめ
このように電子ピアノ選びでは鍵盤の数や機能など最低限備えているものをきちんとチェックする一方で、音色や鍵盤のタッチなど個人の好みによって向き不向きが出てくる面も出てきます。
ですから基本的な条件を備えたもののなかから自分に合ったものを選んでいくことが重要です。
可能な限り実際に自分で音を出して確認する機会を作ることや、店頭で同じメーカーの類似品を試してみることなどが重要になってくるでしょう。
あとは価格と機能のバランス、サイズと重量など、日常生活のなかで使用するシチュエーションを考慮しながら選んでいけば、自分にとって最適な電子ピアノをうまく絞り込んでいくことができるはずです。
ぜひお気に入りのピアノを見つけてみてください。